宝島 真藤順丈 講談社

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「宝島」直木賞受賞作

この島を、私は年に4、5回訪れる。
その度に、この島の歴史が私のの心に問いかける。
私たちを、お前はどう思っているのか。
私たちの存在を、どう捉えているのか。
仲間なのか、敵なのか、旅人なのか、それともなんでも無いのか。

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私は、あまりにも知らなすぎる、沖縄のこと

私は、あなたは、どれだけ沖縄のことを知っているだろう。
今の沖縄を。これまでの沖縄を。
見て見ぬふりをしているのではないか?
いや、見てもないのに、見たふりをしているのではないか?
それならまだましかもしれない。多くの人が、そんなの関係ねー、と思っているのではないだろうか。

うちなんちゅの語り部が突き刺す、破壊力抜群のエンターテインメント

さて、ないちゃーの人間が、今、沖縄に米軍の何の基地がいくつあるのか、知っているのだろか?
ないちゃーが、どんなことを長い歴史の中で行なってきたのか。
でもね、確かに無理だよね、興味のないことやものに関して知ることなんて。知ろうとすることなんて。
興味ないから知ることはない。知らないから興味も湧かない。
そして、その地がどんな扱いを受けても、無視。
これって何かに似ていない?
そう、イジメだよ。友達を虐めている奴がいる。でも、私たちは、その友達に興味が無いから、いや、敢えて興味が無いふりをしているのかも知らないけど。
知らない。興味ない。ますます知らない、ますます興味ない……この無限ループを断ち切るにはどうすればいいんだろう、とモヤモヤしていたら、出ました。「宝島」。この無限ループを断ち切るポテンシャルを持った、極上エンターテイメント小説。しかも直木賞という面白さのお墨付きをもらって。
面白いから読むでしょ、そうすると、沖縄のこと、知りたくなるから。

極上のエンターテインメント、宝島の時が流れる

舞台の中心は、コザ。嘉手納基地を取り巻くカオス。描かれている時間は、終戦後から日本に復帰した直後まで。
熱い。エロい。サスペンスあり、謀略あり、政治あり、バイオレンスあり、ラブストーリーあり、音楽あり、ダンスあり、神秘あり、祈りあり。

伝説のヒーローは消えた。しかし本当に消えたのか? ヒーローの恋人は、世界中の小説に登場する女性の中で比べてもとびきりのいい女。
ヒーローと不思議な、しかし勁い絆で結ばれた同志たち。

大きな歴史の中で、いやがおうにもその流れに翻弄されていく主人公たち。

そこは本当に宝島なのか? いや、本当に宝島なのだよ。

あなたの中で、何かが変わる一冊。手にとって読むべし

本書を読み終わったのは、実は、那覇に向けて飛んでいる飛行機の中だった。
那覇の新都心地域で行われるオリンピースというイベントのお手伝いをするために。
オリンピースはスポーツを通じて平和の実現を願うイベント。それが行われた新都心は、かつて第二次世界大戦で激戦があった慶良間チージ(シュガーローフの丘)の近くであり、戦争で荒れ果てたその地を沖縄の人たちが数年をかけて耕し、やっと作物が実るようになった頃、再び米軍が銃剣とブルトーザーで、皮膚をえぐるように削いで兵士たちの住宅地にした場所だ。1953年の強制収容だよ。

慶良間チージ(シュガーローフ)

慶良間チージ(シュガーローフ)では、壮絶な戦闘が。なぜ、人と人とが暴力をふるいあうのか……。

シュガーローフ

現在のシュガーローフ。何もないように見えるが、ここには濃い何かがある

Aサイン

「宝島」にも頻繁に登場する「Aサインのお店」のAサイン(レプリカ)。オーシャンで撮影。

その場所で、新都心公園で、オリンピースのイベントも終盤を迎えること、ステージに上がったのは、那覇からやってきた、ご存知、ゲート通りのAサインのカフェオーシャンのヤラヤッシー(ヤッシーのことはこちらにも書いてます)。(ゲート通りもAサインのカフェも、宝島を読んだ後だから意味が随分変わっていた)
歌うは、コザを舞台にした歌。

この地図はゲート通り付近。地図の左は、嘉手納基地なので、ほぼ白紙。この中に「宝島」に登場する御嶽も……。

さて、ないちゃーは、絶対に宝島を読むべきだ。
沖縄が私たちにしてくれていること、私たちがさせてしまったこと、それらをまず知るべきだ。
知るべきだ。知るべきだ。(強く思うので、3回書きました)
知るべきだけど、その前に、宝島、めっちゃくちゃ面白いから。

歴史とエンタメの虚実皮膜を走る熱い物語。写真をクリックするとAmazonで買えます!キンドル版もあります。ぜひ!


宝島

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