ハローサマー、グッドバイ マイクル・コーニイ 作 山岸真 訳 河出文庫

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ハローサマー、グッドバイ (河出文庫)


【今日の一言】
ひと夏の少年少女の恋の話。でも、永遠なんです。

読むべきか、読まなくてもいいか、というと、間違いなく読むべきです。それは間違いない。
ただ、なぜ読むべきかを、私ごときが皆さんにお伝えするのは、なかなか難しい小説です。
なぜ、難しいんだろう……。それもよくわからない小説なんです。
どこから話せばいいのだろうか……。先ずは、読後感からお話ししましょう。

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読後感は……

読後感といえば、
「えっ? なに、なに? どういうこと?」でした。「これで、終わり?」という感じ。でも、数分後に「えっ!そういうこと!? ヤバいじゃん、凄いじゃん」という感情が、海の底から浮かび上がってくるように現れて、もう一回、最初の方を読み直し、「やっぱりそういうことか!」と感激を確信し、何とも壮大な気持ちになり、そして切なくなったのです。
つまり、この壮大な物語は、至る所に仕掛けがあり、つまり伏線があり、それが見事に回収されて、ラストで裏切られる、という典型的な面白い物語なのです。
ただし、前半はだるいです。そこを乗り越えたら、それはもう、風吹く港から外洋へ出て行く帆を張ったヨットのようにスイスイと進んで行くのです。だから、前半少しだるくても、読み進めて欲しいのです。伏線を踏んで欲しいのです。

SFとして、舞台の設定

物語は、地球ではない、それでも地球に似た星で進んで行きます。
そしてその星には、地球とは大きく違うところがあります。
それは海。そして生物。
特に海は、夏のある時期、グルームと呼ばれる粘性の高い海流となる。グルームはこの物語展開に大きく関わってきます。

恋は切ない

「ハローサマー、グッドバイ」は恋愛小説とも評されます。もちろん恋愛小説です。とてもピュアで、ドキドキして、感激して、切なくなって……。
恋は、永遠を探す旅ですが、「ハロサマー、グッドバイ」の物語自体も、全編を通じて永遠を探す旅かもしれません。
主人公のドローブとブラウンアイズのはじめての恋は、この物語の全体のアナロジーになっているのかもしれません。いや、その逆かなあ……。
いずれにせよ、大人になると、誰もが忘れてしまう、思春期のあの頃のドキドキを、瑞々しく思い出すことは間違いないですよ。

変わらない、少年少女と大人。民衆とハイソサエティ

少年少女と大人の対立。民衆とハイソサエティとの対立。
私は大人の事情という言葉が大嫌いです。大人の情事は好きなのですが^^;
このテーマもこれまでも、これからもずっとあることなんでしょうね。私は、親との対立はそれほどなかったのですが、学生時代は教師とはよく対立してましたし、社会人になっても、上長や取締役が言うことは、ほとんどウソなので、だいたい嫌いです。好きな人もいますが。
人間はズルい生き物なので、立場が上になると、自分のことを、色んな意味で有利にすることができるので、結局しちゃうのです。ほんと、嫌い。あ、好きな人もいますよ^^;

壮大な仕掛け

「ハロサマー、グッドバイ」では、SFらしい壮大な仕掛けがあります。ワクワクするんですよね、読んでいて。あー、そういうことか、という連続。
大きな仕掛けで、前半の伏線を堂々と回収していくストーリーは実に心地良い。まさにSF。その感覚に、瑞々しい恋愛ストーリーが呼応して、さらに先ほども紹介したいろんな相克がドラマを飾り、ついつい熱中してしまうのです。

ラスト数ページの驚き

そして、ラスト。
これはもうあまり書くのは止めておきます。そしてこの記事の最初のに書いた読後感につながっていくのです。
「えっ? なに、なに? どういうこと?」でした。「これで、終わり?」という感じ。でも、数分後に「えっ!そういうこと!? ヤバいじゃん、凄いじゃん」となるわけです。世に言う、どんでん返し。
面白い。
そしてブラウンアイズが、キュート。

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